再生医療 卵巣PRPについて
2021年12月21日
今話題の「自己多血小板血漿(PRP:Platelet-Rich Plasma))による再生医療」を
卵巣や子宮内膜にも行うことができます
PRP療法はアスリートのけがに対する最新治療や、美容皮膚科での肌細胞の再生、
歯科での骨再生技術といった幅広い分野での治療に用いられています。
最大のメリットは自身の血液から採取された血小板を使うため、
アレルギー反応や感染症が起こりにくいことです
不妊治療の分野においては卵巣と子宮内膜に対して行うことができるようになりました
良い卵胞を育てたり、着床率、妊娠率が上がる事が期待できます
今回は卵巣PRPについてお話していきます。子宮内膜PRPについてはまた後日お話します。
妊活をされている方、不妊治療に通われている方で
「卵巣の機能がちょっと低いね」「卵がとれませんでした」
と言われた方にぜひ試していただきたいのが、卵巣PRPです。
他にも早発卵巣不全(POI)、早発閉経といわれた方にもおすすめです!
★効果について
血小板に含まれる成長因子とサイトカイン(FGF・PDGF・VEGF・IGF・ILS等)は
卵胞を良好に育てるために不可欠です。
成長因子とサイトカインを多く含むPRPを卵巣投与することによって、
FSH、AMH等ホルモン数値の改善も見込め、
採卵数の増加や良質な卵子の採取可能性が高まります。
結果として着床率や妊娠率が上がることが期待できます
1度実施することにより半年程度効果が持続されると言われています。(個人差があります)
当院では同日に両側の卵巣にPRPの注入も行うことができ、
おおよそ3時間程度で治療を終えることができます
★治療当日の流れ
・ご来院されたら、超音波にて卵巣の状態を確認します。
・採血をし専用スピッツでPRPを作成いたします。(おおよそ30分~1時間程度)
・手術室でPRPを卵巣に注入します。
・ベッドにて30分安静後、帰宅となります。お疲れ様でした
★起こりうる副作用
➀採血時に痛み、気分不良、神経損傷といった症状が起こる可能性があります。
②自家PRP製造時にあたっては、細菌などの混入を防止する対策を取っていますが、
完全に混入が起こらないとはいえないため、注入後は、注意深く観察を行います。
感染の兆候が認められた場合には、適切な抗生剤などの投与により対応します。
③PRP注入時にあたっては卵巣内に採卵針を用いて注入するため、
痛みを感じたり、出血が起こる可能性があります。
★留意点
調整した自家PRPが規格を満たさない場合や、
製造途中で発生した問題により製造が完了しなかった場合など、
採血を行ったにもかかわらず、自家PRP注入ができない場合があります。
また、再度採血を行う場合もあります。
医師の判断により治療の対象にならない方もいらっしゃるので、ご相談して下さい
★安全性について
「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」施行により、
PRPは法律に従って計画・実施することとなりました。
当院のPRP治療も、法律に基づいて厚生労働省に認定された
「認定再生医療等委員会」での審査を経て、
厚生労働大臣へ届出されているので安心・安全に治療を受けることができます
この治療にかかる費用は健康保険ではなく、全て自費となります。
治療のお値段はそこそこしますので、興味はあるけど今後の治療費もあるし経済的に・・・
私って適応?などと思った方は、
他院で治療中の方もぜひ相談だけでもお越しください