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排卵日のこと

排卵日に起こること

排卵日に近づくと卵胞は18-20mm程度の最大径を示すようになります。卵胞の成熟に従って、卵子を取り囲む顆粒膜細胞のエストラジオールの産生が増加していきます。エストラジオールの作用によって、月経時に薄くなっていた内膜は、その厚みを増し、超音波検査で中央に白線を持つ「木の葉」が観察されるようになります。厚さは8mm以上になります。エストラジオールの作用によって子宮頸管粘液(帯下:おりもの)は量が増加し、透明になり、糸を引くようになります。エストラジオールの増加が脳下垂体に刺激を与え、LHが多量に生産されます(LHサージ)。このLHの増加を受けて、増加開始から約1日半後、増加のピークから半日後に卵子が卵巣から放出されます(排卵)

排卵を促すには?

排卵の時期には、エストラジオールの増加が脳下垂体に刺激を与え、LHの多量産生が始まり(LHサージ)、このLH増加の影響を受けて排卵します。一方、このLHと似た作用を持つヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)を注射することで人工的にLHサージを作ることが可能です。LHサージが始まっていなければ、この注射から1日半後に排卵が起こります。またhCG注射の代わりに、GnRHアゴニスト点鼻薬を用いて下垂体からのLHサージを促すこともできます。排卵を促す際は、エストラジオールが十分な値で、卵胞径が18mm以上、子宮内膜が8mm以上の状態が理想です。

排卵が終わると

排卵が終わると、卵胞の顆粒膜細胞や莢膜細胞は黄体細胞に変化し、エストラジオールだけでなくプロゲステロンも産生するようになります。このプロゲステロンの作用によって基礎体温は0.3℃程度の上昇がみられます。一般的にこの高温相(黄体期)は10-13日持続し、14日以上続けば妊娠を疑います。

基礎体温は5時間以上の睡眠の後に、枕元に置いた婦人科体温計で測定します。体温の変化は非常に重要ですが、排卵を示唆する情報の一つですので、この変化に振り回されないようにしましょう。また体調を崩してしまったり、生活パターンが一定でないと基礎体温の変化にも反映されてしまいます。逆に現在は生活パターンがひとそれぞれで、人々が一律に同じパターンで生活しているわけではありませんので、基礎体温の変化もひとそれぞれです。

基礎体温がしっかり上昇し、きれいな2相性になった場合は、ほとんどの場合は排卵していると考えられます。一方でこのような場合でも排卵がうまくいっていない場合もあります。これを黄体化未破裂卵胞(LUF)と言います。原因はいろいろありますが、ホルモン的には排卵反応をおこし、黄体ホルモンを産生し、体温は高くなるが、実際には卵胞が破れていない状態です。排卵や黄体機能の確認には基本的には超音波検査やエストラジオール、プロゲステロン、LHなどの採血検査にて行います。