膜構造を用いた生理学的選択術(スパームセパレーター)
1. 膜構造を用いた生理学的選択術(スパームセパレーター)について
特殊なフィルター(メンブレン)と精子の運動性を用いて、良好運動精子を回収する方法です。
従来の精子調整法とは異なり遠心分離をせず精子の物理的な損傷を防ぐことができること、30分という短時間で処理が完了するため活性酸素の影響により精子のDNA断片化の進行が軽減されること等から良好運動精子を回収でき、顕微授精における胚発育や妊娠率・着床率・生産率の向上や流産率の低下が期待されます。
2. 方法
液化した少量の精液と精子洗浄培養液をスパームセパレーターに注入し、37℃に設定したインキュベータで30分間静置した後、精子回収チャンバーから培養液を吸収し精子を回収します。
3. 注意点
- 過去の体外受精・顕微授精において低受精率、低胚発育率および胚移植において着床不全や反復流産が認められた症例に適応されます。
- スパームセパレーターを使用する場合、従来法よりも精子調整回収量が少なくなるため受精方法は顕微授精のみとなります。
- 原精液の状態によってはスパームセパレーターを使用できない可能性があります。その場合は従来の調整法となります。
4. 費用
膜構造を用いた生理学的選択術 (スパームセパレーター) |
¥33,000 保険診療(先進医療)、自費診療共に同額となります。 |
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