初診
- いつ受診すればいいですか?
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いつでも構いません。
ご自身のご都合が良い日に受診してください。月経中であれば、ホルモン採血に適した時期です。また高温期であれば黄体ホルモン値を見るのに適しています。
排卵前後であれば内膜の状態や卵胞のチェックに適しています。つまりいつでもその時期に適した検査ができます。
- 初診時持っていくものありますか?
- 健康保険証と健康診断の結果や他院で検査したものがあればご持参いただけますと重複している検査を省くことができます。ただし検査内容によっては古い結果の場合は再検査が必要です。
- 初診では、どのような検査がありますか?
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- 超音波は必ずみさせて頂きます。子宮や卵巣の状態を拝見し、子宮や卵巣の状態、子宮筋腫や内膜症の有無、形態から予測できる卵巣予備能を確認しています。
- 採血検査はその時期に必要と思われるものをします。
- 初診日の費用はどれぐらいですか?
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どのような治療を進めるかにもよりますが、 タイミング治療や人工受精治療開始の方は、3,000円~5,000円程度かかります。(必要な検査採血により値段が前後する場合がございます。)
体外受精ご希望の方は、年齢により保険適応外のものもございますので、お問い合わせください。
クレジットカード(VISAかマスター)のご利用も可能です。
- 健康保険証を変更中で手元にありません。受診可能ですか?
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可能です。ご来院時に受付にお伝えください。診察代金は保険10割でお支払いいただきます。
後日(同月内に)保険証をご持参頂ければ、保険3割負担分を差し引いて返金いたします。
- 初診の日は、どのぐらい時間がかかりますか?
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受診の時間帯にもよりますが、おおよそ受付から会計まで1~2時間程度です。
混み合う時間や曜日もございますので、多少前後します。ご了承ください。
ご持参して頂く検査データはご自身でコピーして頂くと助かります。(できない場合はこちらでコピーしますのでご心配いりません)
- 初診時に精子検査はできますか?
- 原則として、初診時の精子検査は承っておりません。診察後に医師が必要と判断した方は、検査容器をお渡しいたします。精子検査のみをご希望の方は、お電話にてご相談下さい。
- 紹介状は必要ですか?
- 治療歴や検査結果などが分かれば、治療スケジュールなども立てやすくなりますので、ご持参ください。
体外受精ご希望の方は、保険施行回数の確認が求められます。
1、他院にて体外受精を受けたことがある方は紹介状が必要です。
2、紹介状には「生殖補助医療開始年月日」「移植回数」の記載が必要です。
不妊検査
- 不妊の検査にはどのようなものがありますか?
- ホルモン検査(下垂体ホルモン・卵胞ホルモン・黄体ホルモン・男性ホルモン甲状腺ホルモン)・卵管通過性検査(卵管造影)・フーナーテスト・精液検査・卵巣予備能検査・栄養検査です。
- 卵管造影検査について教えて下さい。
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当院で使用している造影剤は、ヨード剤などは含まない、造影剤を使用しています。超音波を見ながら卵管の通過性を確認します。
痛みに関して、不安を訴える方が多くいらっしゃいますが、通常は多少腹部違和感を感じる程度で終了します。
- 精子検査はいつすればいいですか?
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奥様の排卵時期を避け、月経中もしくは、高温期に検査の予約をお取りください。不妊症は統計上半数近く男性側に原因がありますので、早めの検査をお勧めします。
男性不妊の可能性がある場合は、男性外来(専門医による診察と治療)に受診していただきます。時間がない場合(奥様が高齢など)はそのまま体外受精へステップアップすることもあります。
- 不妊検査は、すべて検査する必要性はありますか?
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不妊原因となるものがないか検査をしていきたいのでまず最初に一通り行うことをお勧めいたします。
卵管の検査をせず半年タイミング治療を行うも妊娠せず、半年後に卵管の検査をしたら閉塞していたので体外受精へステップアップとなった。➡タイミング治療に費やした時間とお金は無駄になります。
卵巣予備能検査をせず半年タイミング治療を行ったが妊娠せず、半年後卵巣予備能(AMH)を調べたところほぼ閉経していた。➡半年前に体外受精していれば妊娠可能だったかもしれない。
タイミング療法
- 排卵日だけ性交渉すればいいですか?
- 通常精子は2~3日【長いと7日間】卵管内で生きていますが、卵子は排卵後24時間以内に精子と受精しないと受精能力がなくなります。そのため排卵日少し前と排卵日に性交渉をした方がよいのでその時期はこちらで確認しご指示いたします。
- 生理は順調なのに、排卵誘発剤を飲む必要はありますか?
- 当院では、少量(通常使う半分以下)の誘発剤を使用することにより、卵胞発育を促し、より成熟した卵子を育てることを目的としています。黄体機能もよくなります(着床環境がよくなる)。どうしてもご希望されない場合は内服されない選択もあります。
- 現在タイミング療法を行っていますが、ステップアップはいつすればいいですか?
- 年齢や不妊歴によります。正確なタイミング指導であれば半年以降でAIHまたはARTへステップアップすることをお勧めします。AMHが低い場合、高齢の場合、骨盤内癒着を疑う場合はAIHをスキップしてARTへステップアップすることをお勧めします。
- 指示された日に性交渉が上手く行えません。
- ご主人に精子を採取して頂くスポイド法【シリンジ法】がございますので、ご相談下さい。妊娠率は通常のタイミングとほどんど変わりません。
- 基礎体温をつけていますが、きちんと排卵できているか分かりません。
- 基礎体温のみでは、判断できません。当院では採血と超音波検査を含め、排卵の確認を行っていきますのでご心配いりません。低温期高温期の差を見る程度で構いません。3日おきでも構いませんので基礎体温はつけてくださいね。
人工授精
- 準備する書類はありますか?
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ご自身で準備頂くものは、住民票のみです。(続柄入り 3カ月以内発行のもの)
説明書・同意書に関しては、お渡しいたしますので、ご希望時お声がけください。
- どれぐらい費用がかかりますか?
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診察時は、採血や超音波検査、再診料などを含め、3,700円程度です。
人工授精当日は、6,200円程度です。保険診療となります。
別途必要な検査項目があります。お問い合わせください。
- 人工授精の日はどれぐらい時間がかかりますか?
- ご持参頂いた精子の受け取りから精子調整完了まで30分~1時間程度かかります。混雑状況にもよりますが、ご来院から会計まで1時間~2時間程度です。
- 精子はいつ採取すればいいですか?
- 人工授精当日のご来院頂く3~4時間以内に採取をお願い致します。
- 人工授精の処置に痛みや出血はありますか?
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専用の細いカテーテルで精子を注入しますので、痛みはほとんどありません。
子宮の入り口がカテーテルにより擦られる影響で、多少出血する場合がございますが、心配ありません。持続した出血や腹痛がある場合はご連絡下さい。
- 凍結した精子でも人工授精はできますか?
- 解凍後の凍結精子は、40~50%ほど精子の動きが鈍くなりますので、人工授精には適しません。人工授精の場合は新鮮精子を使用します。
- 現在人工授精を行っていますが、ステップアップは必要ですか?
- 年齢や不妊歴によりますが、統計上人工授精は6回以上施行しても妊娠率は上がりません。
体外受精
- 体外受精は体への負担は大きいですか?
- 薬の使用量や注射はAMHやその周期でのホルモン状態により異なりますが、日常生活へ負担がでるようなことはほとんどありません。
- 自分で注射する自信ないです。それでもやらなければだめですか?
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手順を確認しながら行えるよう動画があります。不安があれば注射を一緒に練習することも可能です。ご主人に協力してもらう方もいらっしゃいます。
どうしても不可能な場合はどうしたらいいか一緒に検討いたしましょう。
- 夫が単身赴任中です。治療は可能ですか?
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可能です。ご主人がご来院できるときに精子の凍結保存をお勧めいたします。
凍結時期などに関してはお問合せください。凍結精子を使用する場合は受精方式は顕微授精(ICSI)となります。
- 卵子はたくさんとれますか?
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AMHや年齢により採れる卵子の個数は変わってきます。
月経中の診察(超音波)で前胞状卵胞の数を見て、その周期の誘発方法を考えます。たくさん見えれば中刺激(クロミッド+hMGやショート法)を行います。ただし卵胞の中には卵子が入っていない場合と変性卵の場合もありますので、卵胞数と実際に取れる卵子数は違います。
- 採卵が恐いです。麻酔はできますか?
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局所麻酔、全身麻酔をお選びできます。
恐怖心が強い方は全身麻酔で眠ることをお勧めいたします。当院の麻酔は覚醒も早く吐き気もでないので、皆さんに快適だと喜んでいただいております。
- 採卵した周期で移植もできますか?
- 新鮮胚移植は希望であれば行うことはできますが、採卵周期に育った卵胞の数や内膜の厚さ、ホルモン状態などにより移植に適さない場合もあります。ご希望であれば医師にご相談下さい。一般には凍結胚移植の方が妊娠率は高いと言われております。
- 薬の副作用について教えてください。
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薬の種類によって、副作用は違ってきます。
例えば、クロミッドは頭痛などの副作用を伴うことがあります
それぞれの薬や注射の使用直後に、息苦しさや発疹、発赤などの症状がある場合は、早めに当院へご連絡下さい。
- 採卵日は仕事を休まなければダメですか?
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手術後、腹腔内の出血がないか確認した上で、ご自宅へお帰り頂きます。
そのままお仕事に行かれる方もいらっしゃいます。
行動の制限はなく日常生活は基本的に問題ありませんが、激しい運動は控えてください。全身麻酔により採卵ですとお帰りは午後になります。
- 体外受精に進もうか悩んでいます。相談できますか?
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看護師への相談ができる時間帯がございます。
ご予約が必要となりますので、当院へお問合せ下さい。
- 料金について
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保険診療・自費診療がございます。
【保険診療の場合】
採卵準備から当院卒業(妊娠8週ごろ)まで *胚凍結を5個獲得できた場合
合計:約¥329,030
【自費診療の場合】
採卵準備から当院卒業(妊娠8週ごろ)まで *胚凍結を5個獲得できた場合
合計:約¥956,140
- 移植後は生活に制限はありますか?
- 運動は控える以外はいつも通りの生活を送っていいただいて構いません。
- 妊娠判定の前に生理がきたようです。自宅で妊娠判定して陰性でした。薬止めてもいいですか?また、判定のための受診は必要ですか?
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妊娠している場合でも出血することはよくあります。妊娠していても尿判定では陰性に出てしまうこともあるため、採血で確認が必要となります。
薬を自己判断で中止することはせず指示通りに継続し、受診してください。
- 移植したあとお腹が痛いです。
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細いカテーテルを用いて胚移植を行います。基本的に痛みはでません。
少量の出血を伴いことはありますが、ご心配されなくて大丈夫です。万が一、大量の出血や腹痛を伴う場合は、当院へご連絡下さい。
- 性交渉に制限はありますか?
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採卵周期では、卵胞が大きく育ってくると物理的な排卵の可能性があるため控えていただくことがあります。
移植周期では移植後、精液中に含まれるプロスタグランジンの影響で子宮収縮が促されるため控えていただいています。
- 薬を飲み忘れました。どうしたらいいですか?
- お電話にてご連絡ください。場合によっては採卵・移植周期が中止になることがあります。
原因不明不妊
- 不妊治療しているのに、妊娠しません。原因はなんですか?
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不妊症の40~50%は原因不明不妊(排卵していて卵管も通っていて精子も正常なのに妊娠しない)です。
妊娠が成立する必要最低条件は3つあります。 ①排卵していること ②卵管が通過していること ③精子が正常数いること。
原因不明不妊は、年齢が若い場合は、ピックアアップ障害・受精障害・着床障害の可能性があります。
高齢の場合、上記に加え卵子自体の加齢も原因に追加されます。加齢した卵子は元には戻りません。卵子が加齢するということは卵子に染色体異常が出るということです。染色体異常がある卵子は受精しません。
ではその場合どうしたらよいかですが、一生涯に染色体異常がない卵子がひとつも残っていない可能性は低いので正常な卵子(妊娠可能な卵子)が出てくることを待つしかありません。
受精障害の場合はIVF(ふりかけ)をしても1個も受精しなければ診断できますし、ICSIをすれば受精します。
着床障害は形態良好胚を移植しても着床しなければその可能性は高くなります。着床障害については今現在わかっている検査については移植前にチェックします。原因不明の着床障害についてはあの手この手を使います。
予約・通院
- 検査は予約が必要ですか?
- すべての検査に予約が必要となります。検査の種類によって時間制限がありますので、お問合せ下さい。
- 月に何回通院が必要ですか?
- 治療方法によって、通院回数は変わってきます。タイミング療法・人工授精の場合は、月に1~2回程度です。体外受精の場合は、1周期に4~5回程度です。
- 仕事との両立はできますか?
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当院では、平日(月曜日以外)は18:30までの予約枠があります。
採血は朝8時から(月曜日は7:30)できます。診察は9時以降となります。
お仕事との両立に不安がある方は、ご相談下さい。
- 予約方法教えてください。
- お電話かインターネットでご予約いただけます。ホームページ内にある「ご予約について」をご参照下さい。
- 二人目を考えていますが、いつぐらいに来院すればいいですか?
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経腟分娩の場合6カ月後、帝王切開の場合1年後から治療をすすめています。
ご来院の時期は、産後の月経が2回以上きていて断乳されてからをご案内しています。
- 体調不良や私用のため、予定日に手術を受けることが難しくなってしまった。
- 難しいと判明した段階で、お電話にてご相談下さい。ご事情を伺ったうえで、どうすべきか医師が判断いたします。なお手術につきましては、前々日よりキャンセル料が発生いたします。 お早めにご相談下さい。
栄養療法
- 栄養療法は必要ですか?
- 妊娠準備期から栄養の摂り方が赤ちゃんの未来の健康にも関わっています。栄養を改善すると、卵子の劣化を防ぐことができます。自律神経の安定を図るために血糖コントロールを保つことも重要です。日頃のお食事を少し変えるだけで、より妊娠しやすいようになります。また、ご妊娠された後でも、胎児成長にはお母さまからの栄養が一番大切となります。当院では、オーソモレキュラー療法不妊専門の栄養カウンセラーによる栄養カウンセリングを行っています。
- サプリメントがたくさんあって何を飲んだらいいかわかりません。
- 栄養解析やお食事表を確認し、栄養カウンセラーや医師がサプリメントをお勧めしていますが、ご予算の関係や優先的に内服するべきものは何かを知りたい場合は、医師にご相談下さい。
- 妊娠中もサプリメントは飲めますか?
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メラトニン、DHEA、レスベラトロールは移植後、妊娠後内服は控えていただいております。
その他の当院で、提供させて頂いているサプリメントは妊娠中でも内服できるものが大半です。妊娠中も赤ちゃんへの栄養は必須となりますので、元気な赤ちゃんを出産するために妊娠中も継続することをお勧めします。
当院で提供していないサプリメントについては、お問合せ下さい。
治療料金・助成金
- 治療費について教えてください。
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2022年4月から不妊治療の一部が保険適応になりました。下記に料金表を記載してあります。ご確認ください。
【保険診療の患者様3割負担料金表】
https://www.ivf-shinagawa.com/pdf/2022hoken_price.pdf
【自費診療】
43歳以降の方や保険適応外の治療をご希望の方は、自費診療となります。
2022年4月1日から治療を開始した方は、助成金対象外となります。
2022年3月31日までに治療開始した周期の助成金は、2023年3月31日までの申請で1回のみ助成金対象となります。助成される金額は、東京都、その他市区町村によって異なりますので、市区町村にご確認ください。
当院の自費診療検査・治療料金については、ホームページの料金表をご参照ください。
流産・不育症
- 不育症って何ですか?
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不育症には、22週未満の流産を2回以上繰り返す「反復流産」、3回以上繰り返す「習慣流産」が含まれます。この場合の「流産」とは、超音波検査で胎のうという袋を確認できた症例に対して起きたものをいいます。
これ以外にもhCGという妊娠中に出るホルモンが出るだけで胎嚢が出現する前に月経がくるものがあります(化学流産)がこれは流産には含みません。
- 不育症の原因って何ですか?
- 厚生労働省不育症研究班によると、3回流産以上流産を繰り返している場合の流産原因として、子宮の形が悪い子宮形態異常が7.8%、甲状腺の異常が6.8%、両親のどちらかの染色体異常が4.6%、抗リン脂質抗体症候群が10.2%、凝固因子異常として第XII因子欠乏症が7.2%、プロテインS欠乏症が7.4%とされています。
- 抗リン脂質抗体って何ですか?
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抗リン脂質抗体は、自己免疫異常の一つで、これにより血液が固まりやすくなり、血栓ができやすくなります。胎盤の細い血管に血栓ができると、血流が悪くなり、胎児に十分な栄養と酸素を送ることができなくなり、流産や死産につながると考えられています。
また、血栓形成以外にも、妊娠初期に、抗リン脂質抗体が、直接、胎盤のもととなる絨毛細胞を攻撃し、流産を引き起こす機序も考えられています。抗リン脂質抗体には、多くの種類があります。陽性だからといって、全ての人が流産するわけではありません。流産の予防には、アスピリンの内服や、ヘパリンの注射を行います。
- ループスアンチコアグラント(LAC)
- 抗カルジオリピンβ2-GPI抗体
- 抗カルジオリピンIgG抗体、IgM抗体
- 抗プロトロンビン抗体(aPS/PT)(自費)
- 抗フォスファチジルエタノールアミン抗体(抗PE-IgG抗体、PE-IgM抗体)(自費)
- 子宮に奇形があると言われました。どうしたらいいですか?
- 双角子宮、中隔子宮、単角子宮などの子宮奇形が、流産を繰り返す原因になる場合があります。子宮奇形があっても問題なく妊娠出産している場合も多く、全例に治療が必要なわけではありません。手術をすることでより妊娠しにくくなることもあります。どうしても必要な場合にのみ、手術療法を行います。
- 流産した赤ちゃんを調べたら染色体異常がありました。次の妊娠も同じようなことが起こるか心配です。
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まずご両親の染色体異常がないかどうか調べます。
夫婦のどちらかに染色体均衡型転座(染色体の2カ所が入れ替わること)がある場合、遺伝子の過不足はないので、その人は、全く正常で健康に問題ありません。しかし、その人の卵子、精子ができる時に、遺伝子の不均衡(過不足)をおこしてしまい、異常な卵子、精子は、流産の原因となります。
初期流産の原因の多くが胎児の染色体異常にあると言われています。流産の約80%が胎児の染色体異常と言われ、女性の年齢が高くになるにつれてその頻度も上がります。
胎児の染色体異常は、加齢や喫煙や環境因子が原因でその発生率は高くなります。
年齢とともに、卵子の老化により受精卵の染色体異常が起こり流産率があがります。40歳を過ぎると、40%が流産するというデータがあります。当院では、加齢卵子の質を改善するための生活指導やサプリメントの処方を行っています。
また、タバコに含まれる数百種類の有害物質が、卵子を老化させ変性させてしまい、不妊や流産をひきおこします。また、子宮内膜への胚の着床を障害します。
また、ご主人が喫煙している場合も同じような障害をもたらしますので、奥様だけではなくご主人も喫煙はやめましょう。 妊娠だけではなく生まれてきた子供の異常や将来の病気(心臓病、アトピー、喘息、糖尿病、発達障害など)の発生率も高くなります。
- 不育症といわれました。それに対する治療などはありますか?
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①抗リン脂質抗体の場合
抗リン脂質抗体が妊娠初期の絨毛を傷害し、絨毛の発育を阻害するといわれています。また、血管壁も傷害され、血栓が生じやすくなります。
低用量のアスピリンの内服や、ヘパリンの自己注射により、血液が固まるのを防ぎ、血栓形成を予防します。開始時期は人により異なります。
【杉ウイメンズクリニック(不育症専門クリニック)へご紹介する場合もあります】
②内分泌異常の場合
高プロラクチン異常 プロラクチンは乳汁分泌ホルモンといい、妊娠、出産後に高くなり、乳汁分泌を促します。妊娠前の高プロラクチン血症は、排卵障害をひき起こし不妊症と関係することが知られています。ただしあまり下げるのも逆に妊娠しにくくなることがありますので、軽度高値でも排卵している場合は内服加療をしないこともあります。 糖尿病 糖尿病がみつかる頻度は1%程度ですが、糖尿病の場合、流産、早産、死産、生まれてくる赤ちゃんの奇形、先天異常など、重篤な異常を引き起こします。妊娠前からの血糖値のコントロールはとても重要です。糖尿病専門医との連携が必要です。 甲状腺機能異常 甲状腺機能低下症、甲状腺機能亢進症は、女性に多い疾患です。甲状腺ホルモンの過不足は、流産、早産、死産、生まれてくる赤ちゃんの奇形、先天異常など、重篤な異常を引き起こします。妊娠前からのコントロールが重要です。甲状腺専門医(伊藤病院)との連携治療を行っています。 黄体機能不全 基礎体温を測定し、高温期のホルモン値を測定し、黄体機能不全の有無を検査します。当院では低温期に少量の排卵誘発剤を使用しますので、ほとんどの場合黄体機能はよくなります。必要な場合は高温期にも黄体ホルモンを内服します。
- 流産後、いつから治療を再開してもいいですか?
- 自然流産(手術せずに流産が完了した)の場合は1周期程度の休憩で再開できます。手術をした場合は2-3周期の休憩が必要な場合があります。
- 流産手術を勧められました。自然にでることはないのでしょうか?
- 通常70%は自然に排出されます。当院ではなるべく自然排出を待ちます。自然排出が難しいと判断した場合、次回の妊娠に影響のないように最善の注意をはらい手術します。