再生医療 その② 子宮内膜PRP療法 ~着床率アップのために~
2021年12月22日
卵巣PRPに続いて、子宮内膜PRP療法についてお話いたします
PRP療法については、前回の卵巣PRP療法で詳しくご説明させて頂きましたのでご参照下さい。
★前回のおさらい
PRP療法とは・・・自己多血小板血漿(PRP:Platelet-Rich Plasma)による再生医療のことです。
ご自身の血液から濃縮した成長因子を抽出し、それを子宮内膜に注入するというものです。
この治療は自身の血液から採取された血小板を使うため、アレルギー反応や感染症が起こりにくいとされています。
★子宮内膜PRP療法って?
PRPを子宮内膜に注入することで、子宮内膜の細胞増殖や血管新生を良好にし、子宮内膜が活性化され受精卵が着床しやすくなります。
つまり、胚着床率の改善や妊娠維持が期待できます
子宮内膜がなかなか厚くなりにくい方や、形態良好胚を移植してもなかなか着床しにくい方にお勧めです。
移植周期に行いますので、移植希望の月経2-3日目に来院して頂きスケジュールを立てていきます。
また子宮内膜PRP療法は医師判断で移植周期中に1~2回行います。
★治療当日の流れ
・ご来院されたら、ホルモン採血後、超音波にて子宮内膜の状態を確認します。
・採血をし専用スピッツでPRPを作成いたします。(おおよそ30分~1時間程度)
・外来で専用の細いチューブで、作成したPRPを子宮内に注入します。
・注入後ベッドにて30分安静して頂き、帰宅となります。
★起こりうる副作用
➀採血時に痛み、気分不良、神経損傷といった症状が起こる可能性があります。
②自家PRP製造時にあたっては、細菌などの混入を防止する対策を取っていますが、
完全に混入が起こらないとはいえないため、注入後は、注意深く観察を行います。
感染の兆候が認められた場合には、適切な抗生剤などの投与により対応します。
③PRP注入時にあたっては子宮内に専用のチューブを用いて注入するため、
痛みを感じたり、出血が起こる可能性があります。
★留意点
調整した自家PRPが規格を満たさない場合や、
製造途中で発生した問題により製造が完了しなかった場合など、
採血を行ったにもかかわらず、自家PRP注入ができない場合があります。
また、再度採血を行う場合もあります。
医師の判断により治療の対象にならない方もいらっしゃるので、ご相談して下さい
治療後24時間以内は激しい運動はお控えて下さい。
★安全性について
「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」施行により、
PRPは法律に従って計画・実施することとなりました。
当院のPRP治療も、法律に基づいて厚生労働省に認定された
「認定再生医療等委員会」での審査を経て、
厚生労働大臣へ届出されているので安心・安全に治療を受けることができます
この治療にかかる費用は健康保険ではなく、全て自費となります。
治療のお値段は卵巣PRP療法よりはお安くなっていますが、子宮内膜PRPもそこそこしますので、
興味はあるけど今後の治療費もあるし経済的に・・・
私って適応?などと思った方は、
他院で治療中の方もぜひ相談だけでもお越しください