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学会に参加してきました②

2022年6月6日

卵は通常受精すると、細胞が1個→2個→4個→8個…

と分割していきます。

 

これが稀に1個から3個に分かれたり(Direct cleavage:DC)

あるいは4個から3個に戻ったり(Reverse cleavage:RC)

このように特殊な分割様式をとることがあり、それをどのように捉えたら良いか・・

これについての演題がありましたのでご紹介します。

 

通常このような現象は染色体の異常分裂が原因とされるので、移植胚としては選択しないほうが良いといわれています。

しかしこの演題ではこうした異常分裂が起きた胚でも、胚盤胞になれば妊娠率は通常の胚盤胞と変わりない。

という内容でした。

 

その理由としては考察されていたこと

  • DCが発生し、染色体異数性となった細胞は胚形成に関与することなく細胞死するため、残りの細胞で胚を形成していく。残りの細胞で胚盤胞が形成されれば妊娠の可能性はある。
  • DCが起こったあと、それが戻るようにRCが起こり、最終的に正常な染色体数となる。

 

ということは、DCやRCが発生した場合は初期胚ではなく胚盤胞まで見た方が良い..

ということですね

 

このような現象はタイムラプスインキュベーターで培養することで初めて見えてくるものです。

定点観察ではなく継続的に観察することがいかに重要かわかります。

タイムラプス培養は先進医療に認定せれています。

保険診療の方でも実施可能なので、培養の際はタイムラプスを使用することを是非おすすめします