はじめに
お子さんを持つための対応としては、とにかく排卵日を正確に特定する、または排卵日めがけて、いい卵が取れるように努力するという点が共通しています。排卵日(またはそれに相当する日)にタイミングをとる、人工授精をする、採卵をする(体外受精をする)ということになります。成功率の目安は、人工授精はタイミングの2倍の成功率、体外受精は人工授精の4倍の成功率と考えるとわかり易いです。
タイミング法
精子は、女性の体内で数日間生存して卵子を待つことができますが、卵子は排卵後1日程度しか受精できません。このため排卵日に性交渉を行うことが妊娠への近道です。この排卵時期を探して性交渉を行うことをタイミング法といいます。
他の不妊原因がなければ、排卵期に性交渉があれば妊娠につながっていくことが多いのですが、3周期から6周期これを行っても妊娠に至らなければ漫然と継続すべきではありません。子宮卵管造影や精液検査などの不妊検索を行い、異常が見つかれば「不妊因子の除去」、または「不妊因子があったままでも妊娠できる治療法」を考える必要があります。
タイミング法が勧められないケース
- 両側卵管が閉塞
- 精子検査が強い異常所見
- 6周期以上のタイミング法
- 高年齢女性
- AMHが低値(卵巣予備能の低下)
タイミング法は不妊治療の入り口ですが、タイミングが合っていても、ほかに妊娠が成立しない決定的な要因があればタイミング法を行うことに意味はありません。たとえば両側の卵管が閉塞していれば、卵子は精子と出会えませんし、また精子の数が圧倒的に少なければ、妊娠の確率はかなり低くなります。