卵子凍結・保存について
2022年3月16日
本日は卵子凍結についてお話していきます
卵巣から採取した卵子を将来の妊娠に備えて
凍結保存することを卵子凍結といいます。
★採卵の対象は満39歳の誕生日までの方となります。
メリット
若いころの卵子を凍結保存しておくことで、
卵子を凍結した年齢の妊娠率と流産率を
維持することが期待できます。
デメリット
・卵子は凍結することで質が低下します。
すべての卵子が受精し、成長するとは限りません。
☞卵子を多く凍結保存しておくことが必要です。
・将来の妊娠を保証できないこと。
☞あくまでも将来の妊娠の可能性を高めるための方法となります。
・妊娠関連の合併症の頻度が移植時の年齢に応じて増えること。
☞妊娠糖尿病・妊娠中毒症や早産、
前置胎盤、胎盤早期剥離などの合併症、
分娩時の出血、帝王切開率などにも年齢に大きく関係します。
・排卵誘発剤による合併症のリスク
☞卵子の数を増やすことで妊娠の確立を上げます。
より多くの卵子を十分に成熟させて採卵するため、
誘発剤を使用し卵胞を育てていきます。
誘発剤により卵胞が過剰に発育し、
卵巣腫大や腹水の貯留などの合併症が生じます。
当院では重症化を防ぐため予防注射・点滴を行い、
症状の改善を図ります。
卵子凍結の成績
35歳までに未受精卵の凍結を行った場合、
凍結融解後の卵子の生存率・・・90~97%
受精率・・・71~79%
着床率・・・17~41%
胚移植当たりの臨床妊娠率・・・36~61%
卵子の必要個数
基準として35歳未満で20個の卵子が必要です。
獲得卵子・・・20個
成熟卵へ・・・16個
凍結復帰後・・・14個
受精後・・・9個
初期胚まで成長・・・6-7個
胚盤胞まで成長・・・3-4個
将来凍結卵子を使用する際
卵子凍結後、ご結婚された場合やパートナーができた場合は、
一度凍結した卵子を融解し、
顕微授精(卵子に精子を入れた針を刺し受精させる方法)
→培養→再度受精卵凍結を行います。
凍結ができた場合、移植を行っていきます。
不明な点がありましたら、ご相談下さい