人工授精
調整した精子を子宮内に注入する医療法です。
体外受精では、採卵した卵子を体外で受精・培養後に移植しますが、人工授精は体の中で受精・着床するため、自然に近い治療法です。
エコーや採血を行い排卵日を予測し、排卵日前後に人工授精(AIH)を行います。
数回行っても妊娠しなかった場合は、体外受精へのステップアップをおすすめします。
人工授精の流れ
月経中にご来院いただき、先生が排卵誘発剤を処方します。
排卵日を予測するため、エコーや採血で卵胞の状態や内膜の状態をみながら人工授精を行う日を決定します。
決定するまで1~3回の通院が必要となります。
※事前に感染症検査が必要です。
当日行うこと
- 精液採取
自宅で専用容器に採取していただき、ご持参ください。 - 精子の調整
培養士が精液検査・調整を行い、運動良好精子を回収します。 - 人工授精(AIH)用の細いカテーテルを使い、調整した精子を子宮の奥に注入します。
凍結精子に関して
排卵日に精子を準備できない場合、または精子所見が不良で精子を何度か凍結してそれらを合わせて一度に融解して運動精子数を増やして人工授精を行う方法があります。しかし、精子凍結保存および融解再濃縮洗浄の過程で、良好運動精子は半減します。特に精液不良所見例においては、凍結融解後の精子の運動率の低下が著しくなります。このため、凍結精子を用いての妊娠率はかなり低くなります。このため、やむを得ない場合以外はお勧めいたしません。
人工授精から体外受精に進む時期
通常は3-6周期タイミング法を用いてみて、妊娠に至らなければ人工授精に移ることが多いです。 また同様に、人工授精で妊娠する場合は通常6周期以内のことがほとんどです。このため、妊娠成立を見ない場合は、女性の不妊原因、精液所見、AMHの値によっては体外受精に移行するのが良いでしょう。