ERA EMMA ALICE~ 先進医療~
2022年7月5日
この度、当院ではERA検査・EMMA検査・ALICE検査が先進医療の承認がおりました
今回はその3つの検査について説明します。
先進医療とは
日本では自由診療と保険診療を併用することは、混合診療にあたるため禁止されております。
自由診療を利用する場合、併用した保険診療分を含めた全ての治療費が患者様の自己負担となります
基本的に保険適応になっている治療は一定の有効性と安全性を国が認めたもののみであり、それ以外は自由診療となります。
ですが、有効性や安全性がまだ国に評価されていないものでも、有効な治療法はあります
有望な治療法を保険診療と併用して治療していくために、考えられたのが先進医療です。
つまり、自費診療だけど、特例として保険診療と併用可能な最新の治療法ということです。
医療機関が申請し、承認が下りた医療機関のみ、先進医療を受けることができます。
➀ERA検査
ERA検査(子宮内膜着床能検査)とは、移植の適切なタイミングを調べる検査です。
子宮内膜が受精卵の着床を受け入れる状態にある短い期間(受容期)を『着床の窓』と言います。
この『着床の窓』の時間や時期には個人差があります
20~30%の方が検査の結果、受容期がズレていたということが分かってきています
適応の患者様は、良好な受精卵を移植しても妊娠しない方です。
検査方法
ERA検査は疑似周期を作って内膜の組織を採取する為、その周期は避妊周期となります。
月経中に来院して頂き、検査時期の計画を立てます。
移植周期と同様の着床環境に整える為、内服薬もしくは外用薬、腟錠を用いて調整していきます。
検査時期はプロゲステロン投与日(この日を0日目として)から5日目です。
プロゲステロン投与日は子宮内膜や血中ホルモン値を参考にして決めるので、来院回数は移植周期と同様になります。
検査結果が出るには、2~3週間ほどかかります。
注意事項
処置により、出血や腹痛、感染のリスクがあります。
外部の検査機関に依頼しているため、検体輸送中の事故や破損により、検査不可になった場合当院では一切の責任を負いかねます。
②EMMA
EMMA検査とは子宮内膜マイクロバイオーム検査と呼ばれるものです。
この検査では子宮内の細菌叢をみるものとなります。つまりは子宮内の細菌のバランスをみる検査です
近年の研究から子宮内の細菌のバランスが崩れると、体外受精の治療成績不良に関連することが報告されています。
特に子宮内膜の乳酸桿菌レベルの変化が、不妊の一因となっていることがわかっています。
EMMA検査では子宮の細菌環境が胚移植に最適な状態にあるか調べます。
③ALICE検査
ALICE検査とは感染性慢性子宮内膜炎検査です。
慢性子宮内膜炎の原因になる細菌を調べる検査でEMMA検査とセットで行う検査です。
この検査を行うことで子宮内膜炎の原因菌を検出し、適切な抗生物質と治療法を推奨してくれる検査です。
ご不明な点はお気軽にご質問下さい