学会に参加してきました①
2022年6月2日
先日、日本卵子学会が京都で行われ、当院からは培養士2名が参加してきました!
そこで気なった演題をいくつかご紹介してきたいと思います。
皆さんPICSIについてはご存じでしょうか?
https://www.ivf-shinagawa.com/ivf/icsi.html
通常のICSIでは運動性や形態を評価し、精子を選別しますが、
PICSIでは成熟精子がヒアルロン酸に結合する特徴を利用し、ヒアルロン酸に結合した精子を用いてICSIを行います。
現在PICSIは先進医療に認定され、保険診療と併用できる技術です。
当院でも受精障害や良好胚が得られない方にはPICSIをお勧めしております。
ではPICSIによってどれだけ成績が変わるのか・・気になるところですよね
PICSIについての成績を検討した演題がありましたのでご紹介します
この演題ではPICSI群、通常のICSI群で分け、正常受精率・胚盤胞達成率・良好胚盤胞達成率(≧BB)を比較していました。
PICSI群、ICSI群の正常受精率(84.1%と85.4%)、胚盤胞到達率(61.4%と50.9%)、良好胚盤胞到達率(27.5%と23.6%)、妊娠率(54.9%と40.2%)、流産率(12.8%と26.0%)いずれにしても有意差は認めなかったが、
精子所見が悪い場合(運動精子濃度1500万/ml以下)に絞って集計したところ、正常受精率(84.3%と84.7%)、胚盤胞到達率(68.8%と52.1%)、良好胚盤胞到達率(30.2%と25.5%)、妊娠率(69.3.%と48.6%)、流産率(8.3%と29.2%)と、胚盤胞到達率、妊娠率、流産率についてPICSI群で改善を認めた。
この演題の他にも精子所見が不良の症例ではPICSIが有効という内容がありました。
男性因子の場合は特にPICSIを積極的に行った方がよい、ということですね
この方法は卵子にも侵襲性なく行えるので、デメリットはありません。
適応の方にはこちらこらも相談させていただきますが、ご興味のある方は診察時にお申し出ください