受精卵のタイムトラベル
2022年1月13日
採卵後、得られた卵子と精子を受精させ
受精した胚を凍結せずに移植することを
新鮮胚移植と言います
一方、育った胚を一度すべて凍結保存し(全胚凍結)
次周期以降に胚を融解して子宮に戻すことを
融解胚移植と言いますが、
当院では新鮮胚移植より融解胚移植の割合が高いです。
融解胚移植では、一度すべての胚を凍結保存することで
採卵周期のホルモン値や子宮内膜が移植に適さない場合、
より適した別の周期に移植することが可能です
(最終的には患者様とご相談の上、凍結か移植かを決めていきます)
一旦凍らされる・・なんて、人間では考えられませんよね
ですが受精卵(卵子)の状態ですと
凍結融解してもその後問題なく成長してくれるのです
(生存率は98%以上と言われています)
一度の採卵で得られた複数個の胚を
時期をずらして移植することで、第二子・第三子….
を授かることも可能です
ちなみに-198℃の液体窒素に保管されるのですが、
一度凍結すれば劣化することなく生存状態を保つことができます。
(早く凍結した受精卵の方が生存率が高い、ということはありません)
卵子が作られた時期は同じなのに兄弟として誕生できるなんて
とても不思議なことですよね・・
凍結の方法についてはまた別の機会にお話しします