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タイムラプスインキュベーター

次世代型タイムラプスインキュベーターの導入

タイムラプスインキュベーターとは

インキュベーターは、胚(受精卵)の成長にとって一番理想的なお母さんのお腹の中の環境を再現するように設計されています。したがって観察するためにインキュベーターの外に胚を出すことは、胚にストレスを与えてしまい、その後の成長に影響を与える可能性があります。しかし、胚を観察することは必要不可欠な操作であるため、いかに短時間で効率よく胚を観察するかは培養士にとって悩みの種でした。
タイムラプスインキュベーターはインキュベーターの外に胚を出すことなく、胚の成長を連続して観察することができる装置で、受精やその後の成長の過程で起こる現象を見逃すことなく培養できます(参考動画①)。したがって、観察のために胚をインキュベーターの外に出す必要はなくなり、胚にとって非常に優しい環境で患者様からお預かりしている大切な胚を管理できるようになります。また、これまでの観察方法では確認できなかった様々な現象を観察することもできます。
当院で導入する次世代型タイムラプスインキュベーター(参考画像①)は、これまでのタイムラプスインキュベーターの機能に加え、受精卵の前核(卵子の核と精子の核が最初の合体を起こすまでの間)の自動検出が可能です(参考画像②)。

参考動画①・・・・媒精後から胚盤胞までの動画

参考動画1

参考画像①・・・・インキュベーターの外観の写真

参考画像2

参考画像②・・・・AIによる自動分析画像(カラーあり)と光学顕微鏡下の画像の比較

参考画像2

次世代型タイムラプスインキュベーターのメリット

  1. AIのディープランニングによる自動解析

    受精の確認・評価には培養士の技量が必要であり、その観察に多くの時間を要します。また、培養士間でも確認にかかる時間や評価が若干異なることがあります。次世代型インキュベーターでは、ディープラーニング技術を用いて撮影された画像を解析し、受精卵の前核を自動検出することによって安定して受精の確認・評価を行うことが可能となります。

  2. 受精の判断

    受精の確認は雌雄前核の出現で判断します。通常の培養では受精操作後16~18時間に1~2回観察し判断しております。しかし、前核は時間とともに消失するため通常の培養では前核の出現を観察できない可能性があります。これまでの観察方法では、受精処理をした卵子の10~15%で観察時に前核が確認できなかったとする報告があります。今後は次世代型インキュベーターを導入することにより確実な観察が期待できます。

  3. 胚発育の評価

    現在は24時間ごとにインキュベーターから胚を取り出し観察を行っております。
    近年の研究では、第1分割の様式がその後の胚の成長や胚移植後の妊娠成績と関係するという報告もあり、通常の観察では確認できない受精卵のダイナミックな変化を確認することができ、成長した胚の質をより正確に評価できることが期待できます。