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卵子と精子

卵子と精子

女性のからだのこと(月経のこと)、それから卵子や精子のことって、意外と知らないことが多いですよね。ここでは項目ごとに整理してご説明していきます。

月経と排卵のしくみを知ろう

女性の体の働きとして、おおよそ28日サイクルで月経があり、そして排卵が行なわれています。月経周期日数の正常範囲は、「その周期日数が25-38日の間にあり、その変動が6日以内である」とされています。月経周期が短縮し、24日以内で発来した月経を頻発月経といいます。月経周期が延長して39日以上で発来した月経を希発月経と言います。

卵巣のなかに原子卵胞という卵のもとがありますが、その数は生まれたての赤ちゃんの時点で数百万個ほどあり、成長とともにその数は次第に減少していきます。初潮を迎える頃には10万個になっています。さらに自然淘汰は続き、原子卵胞がなくなった時点で閉経ということになります。閉経までに排卵される卵は400~500個と言われています。

月経が始まると下垂体から出る卵胞刺激ホルモン(FSH)が分泌され、100個ほどの原子卵胞が目覚め、成長を開始します。原子卵胞は成長を開始するものの、100個中、大きくなるのは主席卵胞と呼ばれる1個のみで、他は吸収されてしまいます。

そのFSHの刺激で主席卵胞が成熟しだすと、卵胞膜から卵胞ホルモン(E2)という卵胞を成長させるホルモンが分泌され、視床下部へと届けられます。E2が十分に出て卵胞が育ったら、黄体化ホルモン(LH)を分泌させます。この刺激により、成熟した主席卵胞のなかの卵子が膜を破って卵巣の外に飛び出します。これが排卵と言われるものです。 約3~5日間生き延びる精子に対し、排卵された卵子はたった24時間程度しか生命力を持ちません。そのために、妊娠を希望される人は排卵日をきちんと特定し、性交渉を持つ必要があるのです。

排卵した後の卵胞や排卵しなかった卵胞は卵巣内で自然としぼんでいきます。排卵した卵胞は黄体ホルモン(プロゲステロン)に変化し、そのホルモンにより基礎体温が上昇し高温期が続きます。排卵した卵子が精子と受精し、子宮内膜に着床した場合は妊娠が成立。しかし、排卵後に受精・着床が行なわれなかった場合、黄体ホルモンによって厚くなった子宮内膜がはがれ落ち、排卵から2週間ほどで月経が始まります。

精子と卵子の出会い

成熟した主席卵胞のなかの卵子が膜を破って卵巣の外に飛び出すと、卵管采というイソギンチャクのような形をした部分がその卵子をキャッチし、卵管の入り口である卵管膨大部で待機します。そして射精された何億個もの精子は子宮に入り、卵管を通って卵子の元へとたどりつきます。

24時間程度しか生きられない卵子と違い、精子は平均して3~5日間生き延びると言われています。射精とともに卵子を目指した競争はスタートし、卵子が待つ卵管膨大部まで最初にたどり着いた何億匹のなかのたった1匹だけが、卵子と受精することができるのです。

精子は頭からアクロソームという卵の殻を溶かす酵素を出していて、その作用で卵の殻を突き破って内側に侵入します。侵入した瞬間、卵の周りには受精膜というバリアが張られ、他の精子の侵入を防ぎます。

受精卵の着床と妊娠成立

卵胞は左右どちらかの卵巣に育ち、それが黄体化ホルモン(LH)の分泌により排卵されます。卵管膨大部で受精できた胚は、細胞分裂を繰り返しながら卵管のなかをコロコロと転がり、子宮にたどり着き、そしてふかふかに準備された子宮内膜へと着床します。

胚は卵管をコロコロと転がる間に分割を繰り返すわけですが、受精から2日目に4分割、3日目に8分割となり、4日目には分割がさらに進み、細胞同士が融合し割球がわかりにくい状態になります。この4日目の胚は一見桑の実のように見えることから桑実胚とよばれています。その桑実胚のなかにスペースが出来ます(胞胚腔の形成)。そのスペースが完全に広がった状態が胚盤胞です。順調に分割が進むとこれが5日目に起こります。その後、胚盤胞は透明帯をいう膜を抜け出て(=ハッチング、つまり孵化すること。)子宮内膜へと着床します。

胚が着床するのは5-7日目。着床した胚は外側から絨毛と呼ばれる根のようなものを出し、子宮内膜に結びつきます。受精から着床までのステップの間のどこかで止まってしまう胚も存在します。その場合は着床に至らなかったということであり、ハッチングし、子宮内膜にしっかりと着床した場合、妊娠が成立します。